京セラ株式会社と共同開発を進めてきた超音波モータを駆動源とする電子線描画装置用精密位置決めステージが日刊工業新聞第42回十大新製品賞を受賞致しました(平成12年1月4日).
 本ステージは,超音波モータを用いた摩擦駆動を導入したものであり,その結果,従来のステージと比較し3倍の位置決め精度と1/2の電子線描画装置としてのサイズ縮小を実現したものです.
 この開発の最大のポイントは,摩擦駆動部における摩耗の制御にあります.
 本精密位置決めステージは「セラミックスの摩耗の基礎研究」を実用に展開した実例であり
接触面から機械機器を設計すること「Tribologically- based Machine Design」の意義を示した良き実例です..

「開発のポイント」を述べた新聞記事「生みの苦心」より
           日刊工業新聞(平成12年2月1日)

電子線描画装置用精密位置決めXYステージ (京セラ,東北大学)
(写真にマウスポインタを置くと装置の概略図が表示されます.)

「超音波モータ駆動型XYステージ」

日刊工業新聞
    第42回十大新製品賞受賞
超音波モータ駆動型精密位置決めステージの特徴
1 小型でハイパワーの超音波モータをアクチュエータに採用することにより,電磁モータをアクチュエータ用いボールスクリュー介して動力伝達する従来技術に対し構造の簡素化,メンテナンスフリー,高速,高精度位置決め並びに装置の大幅なフットプリントの低減を実現した.
2 ステージ部品には,軽量で,熱膨張が低く,剛性の高い高純度アルミナセラミックスを採用し,ステージのパフォーマンスを大幅に向上させた.
3 超音波モータのチップと被駆動ガイドとの摩擦力が駆動力となるが,マイルド摩耗領域で使用できる最適パラメータを見出し,半永久的に安定なステージシステムの供給を可能にした.
4 これらの技術成果により,半導体の更なる微細化の律速技術となっていた露光技術に対し,技術的ブレークスルーを果たし0.15ミクロン以下の微細露光を可能にした.
用途
電子描画装置用XYステージ,電子線検査装置用XYステージ
イオンビーム欠陥修正用XYステージ,走査電子顕微鏡XYステージ